お飾りの制作が終了しました

2015年12月29日(火)|category : リースの輪

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ご注文いただいた全お飾りの制作が本日、無事終了致しました。漸くこれで年が越せそうです。ホッ

 

締めを飾ったのは、四万温泉ひなたみ館様へお届けした「掛蓬莱」をアレンジしたお飾りです。平安時代から伝わる蓬莱山に登る龍を表した縁起物です。全長120cm程度、迫力あります。10年?いやもっと前でしょうか、川瀬敏郎さんの著書で見て以来、目に焼き付いていた「掛蓬莱」、山に自生する日陰の蔓は初雪が降った日にヒミツのスポットへ採りに行きました。タイヤ痕のない新雪の山道を恐る恐る20キロ程度で登って行きました。採取後、急で細い山道をユーターンして戻るのは、なかなかの冒険でした。川瀬さんの様に、そぎ落とした作品に仕立てるにはまだまだ力不足です。ついつい足すことで体裁を繕おうとしてしまうのです。「掛蓬莱」は今後も作り続けたいお飾りです。

 

 

 

 

 

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こちらは、東京の個人様のお宅へお送りしたオーダーメイドのお飾りです。昨年に引き続きのご依頼でした。与えられたお題は「真」。「真行草」の「真」です。

使用した花材は魚沼産青刈りコシヒカリのしめ縄、9/11大安吉日刈取り魚沼産コシヒカリの稲穂、京都で松飾りとして定番の根引き松、根っこごと引き抜かれた松で根が着く成長し続けるという意味の縁起物です。その他、紅い縁起物の枝サンゴミズキ、新潟県栃尾佐藤紙漉き工房の手漉き和紙、紅白南天、本榊。お喜びいただいた旨のメールをいただきホッとしました。

 

 

 

 

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栃尾又温泉宝巌堂様エントランスの正月花「松竹梅」

 

 

 

 

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栃尾又温泉宝巌堂様3階廊下正月花「松竹梅」

 

 

 

 

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栃尾又温泉宝巌堂様玄関根引き松のお飾り

 

 

そして、こちらは毎年恒例地元魚沼の栃尾又温泉「宝巌堂」様のお正月花です。今年は「松竹梅」をテーマにまとめさせていただきました。うねる枝振りが個性的な雲龍梅が香り高く開花し、今回の正月花の直線的な表情を徐々に和らげてくれるのが楽しみです。

 

 

 

 

この3点のお仕事は、ひと葉にとって、イレギュラーな内容でプレッシャーの掛かるものでした。用意周到にプランニングし、リハーサル出来たなら安心が手に入れられたことでしょう。でも、お正月飾りの教室にレイメイキングのワークショップ、ネットショップでご注文いただいたお飾りの制作発送と全てが同時期で、そんな時間はありません。ふたつのお飾りは発送日当日の午前中、宝巌堂様のお正月花は設置日の前日深夜、ぶっつけ本番の制作です。花材や花器だけは事前に思いついたときに注文したり採取したりしておきました。出来るだろうかという恐れる気持ちは振り払い、必ず出来ると自分を信じます。そして常に今目の前の仕事に集中するようにしていました。そして制作本番は、いつも教室で参加者の方にお話ししていることの実践です。仕上がりのイメージは緻密に連想できずとも一手一手を打っていけば、次が見えてくる。その手を動かすものは、その瞬間ごとに降りて来るインスピレーションです。そのインスピレーションはこれまで跡付けてきた道の中から知らず知らずに自身の内面に蓄積したものが舞い降りてくるのです。例えば川瀬さんの「掛蓬莱」などがそれです。自分の生きてきた道が作品を象っていくのです。

 

 

 

 

この一週間は、毎日、一日で二日分働いたような感じがします。よく働きましたよ、おつかれさん自分。楽しかったです。

 

 

ひと葉にお仕事をご依頼くださったみな様、本当にありがとうございました。