リース作り初め

2016年1月9日(土)|category : リースの輪

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昨年末からご依頼いただいた「真行草」シリーズの締めくくりは「草」のリース。

大辞林によれば、「真行草」とは、①漢字書体の,真書(楷書)・行書・草書のこと。②華道・庭園・俳諧・日本泳法などの,三つの格。「真」は正格もしくは基本形,「草」はその変形した優雅な形,「行」はその中間、とのこと。

併せて、使ってほしくない花材のご指定もありまして、この手のリースでベースとして使いたくなる柳、そしてこの時期のリースにひと葉が多用するユーカリもその中に列記されていました。

そこで、ベースには黄金ミズキを使い、新年の清々しさを黄色の枝で表現し、赤ヅルで「草」らしい優雅な動きを出しました。グリーンは数種類の針葉樹とつややかな椿の葉を使い、アクセントとなる実ものはシルバーブロニアと綿花、地元産のキハダの実を使いました。

 

作り方は、いつも同じです。具体的なプランニングはありません。ただ、お客様のご希望をメールで伺っていた時からぼんやりとその絵は見えていて、必要な材料は花材のスットク場所を通るたびに、「ここにいるよ~」と素材たちがアイコンタクトを送って来てくれ、「あの子がいないよ~」というものだけ補充し、制作日には、それらと向き合いこの手を差し出し、動くままにまかせていく。

 

心がけたのは、むやみに補わないこと。自分と目の前の花材を信じること。

 

自分は足りていないという「恐れ」をベースにした生き方は、外から何かを補って不足分を賄おうとします。でも、誰もが実は足りていて、何も不足していない完全な愛そのものの存在だと、どこかで見聞きしたそんな言葉が、机上の空論ではないということが、感じられます。必要なものは外ではなく全て中にある。

 

それがわかると、無理やり人生を操作しようとしなくとも、流れに乗っていたら、行くべきところに行くべき時に連れて行ってもらえる。必要なものは必要なときにやってくる。

 

 

そんな思いで2016年を一歩ずつ歩いて行きます。

 

 

ご依頼くださいましたY様に感謝申し上げます。ありがとうございました。