奇跡のラブレター

2016年3月7日(月)|category : 北の森通信

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Gardens Illustrated 2015 Jan Midori Shintani

 

 

夢は山裾の古びた家に住み、広大な庭を作り花と共に暮らし、庭に向かうテラスで日々3時のお茶を飲むこと。

 

この夢はターシャテューダーの影響が色濃いが、夢の始まりが何処だったのかは定かではない。世界一強い女の子ピッピの物語り「長くつしたのピッピ」を夢中で読んだ小学生の頃から、助走は始まっていたような気がする。

 

昨年一度トライしてダメだった十勝千年の森のガーデナー募集に再チャレンジを決意し、昨年送り返されてきた履歴書や自己PRの書類の入った封筒を棚から引っ張り出したのは今年の1月2日。去年はA4の不採用通知のみを取りだし、他はそのまま見もせずに封筒に入れたまま棚の隅に追いやった。1年ぶりに開いた封筒。1年前に必死に制作した庭やリースの画像をまとめた物など久しぶりに見ると、我ながらなかなかよい出来だった。すると、それらの書類の後ろに何やら見慣れぬA4の紙2枚を発見。何だろうと思って引っ張り出してみると、それは千年の森のヘッドガーデナー新谷さんからお手紙だった。

 

 

 

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ROSENDALS TRÄDGÅRD

 

 

3年前に娘と旅した北欧ストックホルムのローゼンダールは新谷さんがガーデナー修行したガーデンだった。新谷さんの存在はその数年前から知っていたが、このときは新谷さんより「ローゼンダール」自体に興味を覚えていた。ローゼンダールは、シュタイナーのバイオダイナミズム農法を実践しているガーデンだった。

 

旅のあと、新谷みどりというひとは、今どうしているのだろうとネット検索して千年の森のヘッドガーデナーになっていることがわかり、このとき初めて千年の森の存在を知った。「100年後の未来へ遺(のこ)し、引き継ぐ大切な財産として、この森を育てている」というコンセプトに共感を覚えた。

 

 

 

今年の1月2日に、一年の時を経て受け取った新谷さんからのお手紙は、わたしにとって奇跡のラブレターだった。

 

手紙を受け取るのに、この1年の日々がなぜ必要だったのかはわからない。ただ、この1年で出会えた方々とのご縁は手紙を先送りにしていなかったら繋がらなかったということ。そう考えると「これでよかったのだ」と思える(新谷さんには大変失礼をしてしまったが)。私信なので内容は伏せますが、その手紙を発見したことが切っ掛けで、今回の研修生として受け入れていただく切符を手にすることが出来たと思っている。めでたし、めでたし。

 

 

 

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ロゼンダールの花を摘んで作ったリース