秋色ドライブ、美瑛から旭川へ

2016年10月17日(月)|category : 北の森通信

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台風10号以来、一か月半通行止めだった清水町内の国道38号線が漸く開通した。久々に車を走らせると崩落した2本の橋を避け蛇行するようにして黒光りするアスファルトの道が新設されていた。新得町から狩勝峠を越える道中、街路樹のナナカマドは燃えるように赤く、峠の木立は黄色のグラデーションを描き、その中に時折混ざる朱色と赤が更に彩を添えていた。思い起こされるのは、4月この北の大地に足を踏み入れて間もない頃の情景。立ち並ぶ白樺たちは裸木で、未だ雪に覆われた地表の上に黒く細い枝先の造形を際立たせていた。そして、5月の終わりから夏へと柔らかな黄緑の新芽が濃い緑色へと一面を覆い尽くしていった情景はついこの前のことの筈なのに、今目の前の情景と重なるフラッシュバックは過ぎた時の流れを実感させた。この北の地を去る日も近い。毎日毎日が愛おしく、しあわせだった。助手席にはきょうも娘が座っている。この7か月間の頼もしい相棒、感謝は尽きない。きょうは狩勝峠から何度も訪れた富良野を通過し、丘の町美瑛へ。小学校を改築したレストランbi・b・leを目指した。道内で3本の指に入るというシェフのレストラン。もう間もなく終焉を迎える7か月間の母娘ふたり旅に祝杯を上げた。パッチワークの丘の起伏を車窓に収め、次に向かったのは旭川の上野ファーム。こちらは、きょうで今シーズンの営業を終える。北海度に来て以来、全く庭には興味を示さなかった娘が、この庭だけはお気に召したご様子で夢中になってカメラのシャッターを切っていた。無理もない、ここはまるでファンタジーランド、少女の心をくすぐる演出に長けている。もうこどもじゃないと言いながら「ノーム(小人)を探せ!」という子供向けイベントにはまって園内を巡る。鶏やカモが野放しに庭を往来していたら追いかけずにはいられないし、園内の随所に設置されたハロゥインのカボチャの演出も小憎い。ノームの庭に立つサイロの形をした家は、フィンランドのムーミン谷を思わせた。

 

きょうのドライブのBGMは車に何年も入れっぱなしのアルバム、ボブ・ディランの「風に吹かれて」。秋色の情景にボブ・ディランの渋くくぐもった声が妙にはまる。

 

そう、いつだって答えは風に吹かれている。

 

新潟に帰る日まで一ヶ月を切りました。