夏と秋とのあいだ

2020年8月21日(金)|category : 畑と庭と台所

 

最高気温34度の猛暑日に、まる二日間庭にて除草作業。

大木に囲まれた庭は、太陽の動きと共に日陰が庭全体を移動する。

それに合わせ、日陰で作業すれば、想像程には暑くない。

梅雨時とは湿度が違う。

それでも、時折吹く風の気持ちよさは格別で、

これを味わうための暑さなら耐えようという気になるほど。

 

ヘルマン・ヘッセはこの時期を一年の頂点と言い、充実しきった時期であり、

「この夏と秋とのあいだの時期、最後の暑い幾夜かと、アスターの咲き始める時期を、私は全身の毛穴で吸い込む」と記した。(ヘルマン・ヘッセ「庭仕事の愉しみ」より)

 

確かに、この時期の庭仕事、全身の毛穴は全開で大量の汗を吹き出させる。

それでも数種類のアスターの蕾たちを見ると、その開花が楽しみで、

アスターが満開の庭を想像してはにたりとほくそ笑む。

 

けれど、私にとっての一年の頂点は「秋と冬とのあいだ」である。

足早に枯渇していく他の花々を切り戻しても、アスターだけは最後まで残す。

花びらを落としつつも枝葉を赤や黄色に染めたアスターが夕陽に輝く様を見たいから。

この一年の庭の輝きを振り返り、ノスタルジーに浸るこの「秋と冬とのあいだ」こそ、

私の一年の庭仕事にとって頂点の時なのである。